大阪水上バス大阪城港は大阪城を訪れる観光客が合わせて水都を楽しむのに絶好の位置にあり、水都大阪の水辺の重要な観光拠点として整備された施設である。竣工から30年近く、最近の改修からも10数年が経過して、インテリアの再整備が必要な時期にある。
今回はその取りかかりとして、近年特に数が増え、カウンター横に乱雑に並べざるを得なかったポスターや各種リーフレットなどを見やすく手に取りやすい配架スペースの整備をおこなうことが求められた。限られた予算と将来の可変性も考慮しながら、「大阪の観光情報が集約・一覧できる場づくりを」という委託者の意図の実現を図った。
- 委託者:大阪水上バス株式会社
- 基本構想:2009年9月
- 設計期間:2010年11月〜2011年3月
- 施工期間:2011年3月18日〜25日
デザイン手法としては当NPOが2010年に川の駅はちけんやプロジェクトで開発した「木の情報発信ツール三部作」のうち「木のパーティション」「木のパンフレット台」を応用利用している。安価ながらも木の素材感を生かせるポプラの平行合板を用いて、パンフレット台と掲示&配架のパネルシステムを構成した。オフィス仕様の既製品にはない手作りで温もりの感じられる統一性を実現する。今後、床材や壁材などのインテリアの改変と照明環境の再構成によりより一層の魅力付けが求められるところである。